高額医療費、見合わせとなりました。

この改正に対しては、患者団体や医療関係者から強い反対の声が上がり、引き上げの凍結や白紙撤回を求めていました。治療中の方には不安でいっぱいだったと思います。
高額医療費制度について
高額な医療費がかかっても、実際の自己負担額をおさえる制度で、家計を圧迫を避ける目的でつくられました。
- 概要
1ヶ月の間に窓口で支払った医療費が、自己負担限度額を超えた場合、超過分が高額療養費として払い戻されます。 - 自己負担限度額
69歳未満と70歳以上にわけられ、年齢や所得に応じて限度額が設定されています。 - 対象となる医療費:
公的医療保険が適用される診療費、薬剤費などが対象です。自費診療、食事代、差額ベッド代は対象外となります。
申請方法
加入している健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口に申請します。
改正案の内容
2025年8月からの改正案は、自己負担限度額が段階的に引き上げられる計画です。
所得に応じて異なりますが、2.7%~15%の範囲で自己負担限度額の引き上げで、高所得者ほど高くなります。
2026年8月からは、年収区分がさらに細分化され、自己負担限度額が段階的に引き上げられる予定でした。医療保険財政への影響が見込まれていたようです。
好きで病気になる方はいません。誰もが病気になりたくないです。生まれながらの病気だったり、徐々に進行しある日突然のきっかけだったり。突然に治療の時間、体の負担、そして1番はお金がかかります。
高額医療費が必要となる主な病気
1位 がん(新生物)
がんは入院・入院外の1日当たりの診療費が最も高額となる疾患の一つです。大腸がん、肺がん、胃がんなどの場合、1件あたりの入院医療費は約60万円以上になることがあります。また、抗がん剤治療や放射線治療、定期的な検査など、長期にわたる治療費用も必要となります。
2位 脳血管疾患
脳卒中などの脳血管疾患は、平均入院日数が89.5日~109.2日と長期化する傾向があります。術後のリハビリ期間も長期化することが多いようです。年齢により65歳以上になると150日から180日程度かかる場合もあるそうです。
3位 循環器系の疾患
循環器系の疾患は、心臓や、高血圧、動脈瘤があげられ、1件当たりの診療費が高額となる病気の一つです。
4位 先天奇形、変形及び染色体異常
入院・入院外の1件当たりの診療費が最も高額となる病気として挙げられています。
5位 特定の難病やHIV
非常に高額な治療を長期間にわたって継続しなければならない疾患も、高額医療費が必要となります。
抗がん剤治療の例
お友達のお子さんの例です。
呼吸の苦しさと発熱で病院に行き、血液検査で炎症反応もあるため、エコーのある病院に。色々と検査した結果、シコリが発覚しました。検査を重ね、抗がん剤治療をすることになりました。
病気のために仕事ができず就職したばかりで退職。仕事を辞めたので、保険証を扶養に移行中だったため、全額の負担額請求になったそうです。検査、入院、抗がん剤で1度の支払いが約360万の請求でした。(後に保険証ができ、高額医療費制度も使え、支払った金額は約13万円だったそうです。)
治療費360万円の自己負担金額(70歳未満、2025年3月現在)
・住民税非課税世帯⇒約3.5万円
・年収156万~370万世帯⇒約5.7万円
・年収370万〜770万世帯⇒約11.3万円
・年収770万〜1160万世帯⇒約20.3万円
・年収1160万以上世帯⇒約28.8万円
改正後、治療費360万円の自己負担金額(70歳未満、2025年8月より)
・住民税非課税世帯⇒約4万円 (約5000円増)
・年収156万~370万世帯⇒6.5万円 (約8000円増)
・年収370万〜770万世帯⇒13万円 (約17000円増)
・年収770万〜1160万世帯⇒23万円 (約27000円増)
・年収1160万以上世帯⇒33万円 (約42000円増)
この金額は抗がん剤がまだ1回目だけです。1度で終わるわけではない治療のため、今後も続きます。
ちなみに2回目の治療の全額負担は、入院なしで約122万円だったそうです。
「最低でもあと4回も。」と言っておりました。
がん治療にも治療は様々で、友達の場合は抗がん剤治療でしたが、別の方は自費診療の薬治療で、1日2万円を毎日飲んでいるそうです。1ヶ月約60万円の出費です。
予期せぬ病気と予期せぬ金額に
日頃から貯金をしておかなくてはいけないと思わされました。
友達は保険に加入していたので、1日5000円の入院費は出たそうです。
ただ、加入前に肝臓の具合が悪かったため、ガン保険の方は審査中で、「もしかしたら出ないかもしれないので、もう少し早いうちに加入しておけば良かった。」と。
長期の治療や入院に備えて、民間の医療保険は元気なうちに検討する価値がありますね。


元気な時には気が付かないことですが、自分たち家族だけでなく、両親の介護なども気になるところです。先日、父が受けた振動細動の手術は3位の循環器系で、「カテーテルアブレーション手術」は約120万〜だそうです。
心配はつきませんが、お財布との相談も大切です。年齢とともに病気の発症率も高くなってきます。
皆様のご家族やご両親が元気な毎日を過ごせますように!