閃輝暗点とは?
突然、視界にギザギザした光や模様が現れ、それが徐々に広がっていき視野が見えにくくなる現象、それが『閃輝暗点(せんきあんてん)』です。多くの場合、片頭痛の前兆として現れ、その後に頭痛が発生します。
症状は通常10~30分程度で消失しますが、ひどい場合には吐き気を伴うことも。片頭痛全体の約3割の人がこの現象を経験すると言われています。
閃輝暗点の原因とは?
1. 脳の血流障害
後頭葉の血管が収縮・拡張することで発生します。
2. 生活習慣
ストレス・疲労・睡眠不足・特定の食べ物(チョコレート、アルコールなど)が誘因となることがあります。
閃輝暗点のメカニズム
① セロトニン濃度の急上昇
脳内でセロトニンが急激に増加すると、血管が収縮し、血流が減少。これによって大脳皮質の機能が低下します。
② セロトニン濃度の低下
セロトニン濃度が低下すると、収縮していた血管が一気に拡張。すると三叉神経が刺激され、片頭痛が引き起こされるのです。
症状が出たらどうすればいい?
1. まずは安静にする
無理に動かず、落ち着いて様子を見ましょう。
2. 水分補給を行う
血流を安定させるためにも、水をしっかり飲みましょう。
3. 頻発する場合は病院へ
- 両目に症状がある場合 → 脳神経外科・神経内科
- 片目だけの場合 → 眼科
予防法はある?
残念ながら、閃輝暗点そのものを治療する方法はありません。しかし、生活習慣の見直しが予防につながります。
おすすめの食べ物(マグネシウム・ビタミンB2)
- 豆類(納豆、豆腐)
- 海産物(ホタテ、海藻)
- 穀類(玄米)
- 野菜類(ほうれん草)
ストレスや疲労をためない生活を心がけることが大切です。
閃輝暗点を経験した有名人
芥川龍之介
1927年の『歯車』という作品は、彼が体験した閃輝暗点を描いたものと言われています。
「半透明の歯車が視界に舞っていて、徐々に数が増え視野を塞いでしまう。そして、それが消えると強烈な頭痛が始まる。」
彼の精神的苦痛の一因が、この閃輝暗点だったのかもしれません。
ルイス・キャロル
『不思議の国のアリス』の作者も、閃輝暗点を経験していた可能性があるそうです。
後に**「不思議の国のアリス症候群(AIWS)」**と名付けられました。
- 物が異常に大きく・小さく見える
- 時間の感覚が狂う
- 空中浮遊感覚
これらの症状が、あの奇妙な物語の着想につながったのかもしれません。
まとめ
突然起こる閃輝暗点は、視界が奪われる不安や、続く頭痛で日常生活に影響を及ぼします。しかし、周囲の理解と適切な対処があれば、安心して過ごせます。
もし、身近な人が閃輝暗点を経験したら?
- すぐに休める環境を作る
- 無理をさせず、回復を待つ
そして、自分自身も疲れをためすぎない生活を心がけましょう。
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