日本の食卓に、昔からそっと寄り添ってきた「卵焼き」。
卵と調味料があれば、あっという間にできあがる。朝の忙しいひとときにも、お弁当のひと枠にも欠かせない、心やすまる一品です。
四角い小さな道具
卵焼きには、四角いフライパンがあります。
丸いフライパンが多い中で、この四角は卵焼きだけの特別。
重ねて巻く姿を整えるために、昔から工夫されてきました。
作り方の流れ
まず、卵に出汁と醤油、砂糖をひとさじ。
家庭ごとに甘さや塩加減が違うのも、卵焼きの味わい深さ。
わが家では甘いのが好きな人と、さっぱり派が分かれるので、二種類焼くこともあります。
熱した卵焼き器に卵液を流し入れ、薄く焼いてはくるりと巻く。
幾重にも重なっていく卵は、切り分けたときにほっとする美しさを見せてくれます。
お弁当の中で
黄色がひとつ入るだけで、お弁当の彩りはぐんと華やかに。
冷めても変わらぬおいしさで、子どもから大人まで好まれる定番のおかずです。
小さな工夫として、卵液にすりおろした「麩」を混ぜれば、ふんわりと仕上がり、口当たりもしっとりとやさしくなります。
おわりに
卵焼きは、ただの卵料理ではなく、家庭ごとの味を映す一枚。
ネギやカニカマを加えたり、ウインナーを巻き込んだりと、毎日の小さな工夫がまた新しい楽しみを運んでくれます。
日本の家庭に受け継がれる卵焼き。
そのひと切れには、暮らしの温かさが詰まっています。
