「蚊取り線香」と、ゆったりとした記憶

子どもの頃からお世話になっている「蚊取り線香」。
最近ではリキッドタイプに変わり、見かける機会も減ってきました。

でも、あの渦巻き模様には、今でもなんともいえない美しさですよね。
火をつけると、ゆらゆらと煙が上がり、煙の下では小さな火が赤く燃えている——
そんな様子をじっと見ているのが好きでした。

嫌なことがあっても、煙が空に溶けていくのを見ているうちに、
悩みも一緒に消えていくような気がしたものです。

昔はただ「蚊を寄せつけないもの」だと思っていましたが、
実は心をゆったりと落ち着かせてくれる存在だったのかも。

あの渦巻きの形は、とぐろを巻いた蛇をヒントに考案されたもので、
長時間使用できるよう工夫された形状なんだそうです。

今では海外でも広く使われていて、日本製の蚊取り線香は、効果や品質の高さでも評価されているようです。

我が家では、匂いに敏感な夫が「やっぱり金鳥の香りが一番」と言います。
紫のラベンダーの香りより、昔ながらの金鳥のノーマルが落ち着くんだそうです。

夏ならではの癒やしです。